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株式会社山田製作所

MISUMI floow導入によって購入価格の平準化や在庫管理業務効率化を実現
在庫管理コスト年間1,900万円減少、発注業務は80%減少

企業プロフィール

株式会社山田製作所
・社名
株式会社山田製作所
・創業
1946年
・業種
自動車部品
・事業内容
四輪車、二輪車の各種ポンプ製品、ステアリング関連製品、トランスミッション関連製品など、「走る、曲がる、止まる」といった重要な機能部品を提供。75年以上にわたる企業活動において、変わらぬ使命は「世界一級品」のものづくり。
・従業員数
1,422人
・会社HP

1946年の創業以来、四輪車、二輪車用のオイルポンプ、ウォーターポンプを中心に、各種ポンプ製品、ステアリング関連製品、トランスミッション関連製品など、機能部品の製造を手がける株式会社山田製作所。同社は、中期経営計画「YAMADA VISION 2030」のもと、工場内のあらゆる機器や設備の「見える化」を行うことで、「生産性向上・品質向上・コスト削減・工場同士の連携強化」を進めている。
 
同社は、工場における消耗品などの資材を、これまで部門ごとに購入していたため、購入先の違いによる価格差や余剰発注、在庫増が常態化しており、保管スペースの確保も必要となっていた。
 
そこで導入したのが、製造業の工場における間接材調達の自動化を支援する、ミスミのMISUMI floowだ。
 
MISUMI floow導入によってどのように業務課題を解決したか、同社 執行役員 生産本部 生産本部長の岡崎さま、同社 生産本部 生産企画部 生産企画課の齋藤さま、同社 加工組立2課の竹内さまに導入の経緯と効果について話を聞いた。

<導入前の課題>

購入先による資材の購入価格差や、余剰発注、在庫増が常態化していた

株式会社山田製作所は、各種ポンプ製品、ステアリング関連製品、トランスミッション関連製品など「走る、曲がる、止まる」といった重要な機能部品の製造を手がけている。中でも、自動車のオイルポンプの基幹部品として使用される「焼結オイルポンプローター」は、業界ナンバーワンの高精度を誇る。

岡崎さま:

弊社では、常に変化し続ける経営環境において、さらなる成長を続けるためにより大きな目標を掲げるべく、長期的な企業活動の戦略として、「YAMADA VISION 2030」を制定しています。中でも、スマートファクトリー工場の実現に向け、社内の独自開発による「YIMs(Yamada Intelligence Manufacturing System)」を導入、工場内のあらゆる機器や設備に接続し数値の「見える化」を行うことで、「生産性向上・品質向上・コスト削減・工場同士の連携強化」を進めています。

こうしたデータによる「見える化」を進める上で、生産現場における資材の在庫管理にどんな課題を抱えていたのだろうか。

齋藤さま:

購入部門ごとに購入先のバラつきによる購入価格差がありました。5つの部署があり、各課で商品を購入していたため、課ごとに価格差が発生し、毎月、担当者が集計しなければならない課題がありました。また、在庫切れの心配から余剰発注、在庫増が常態化しており、保管スペースの確保も必要となっていました。
 
在庫発注については、週1回の頻度で決まった曜日で発注を行っており、発注日の業務を調整し、注文時間に間に合うように発注業務を行う必要がありました。発注業務においては、どの部門が、どれくらい使用しているかの詳細なデータが取れないことや、出庫入力間違いなどが発生し、正確なデータ管理ができていないことも課題でした。

竹内さま:

週末や夜間の勤務時に資材補充が必要となった際に、「資材保管場所が施錠中のため取り出せなかった」「そのたびに作業の停止が発生して困った」といった課題がありました。また、製造現場から資材保管場所が遠く、一度に持ち出す量が制限されるため、台車を使い、道路を挟んだ建屋まで取りに行く必要がありました。
 
建屋が別棟の場合は、天候に左右されて持ち出しが困難なときもありました。特に冬場は、群馬県名物の「赤城おろし」が吹き込むこともあり、寒い日に資材補充をしなければならないケースがありました。

<導入の決め手>

在庫削減や配送時間削減、適正在庫、発注業務負荷軽減などの
メリットが最大化できると判断、導入のしやすさも決め手の一つに

このような課題に対し、同社がミスミから提案を受けたのがMISUMI floowだ。これは、工場内に自動販売機を設置し、導入先企業の調達方法に応じて資材を調達可能なサービスだ。高頻度使用品は自販機に置いてタイムラグなく提供し、中頻度使用品は定期便で配送。そして、都度調達品はマザー倉庫から24時間、20万点以上を出荷可能となっている。

岡崎さま:

「YAMADA VISION 2030」に基づく「生産性向上・品質向上・コスト削減・工場同士の連携強化」のテーマの1つに、「消耗部品管理の見える化推進」がありました。過去の海外駐在での経験から、アメリカでは早期にEコマースの普及が拡大され、工場に導入した「自動販売機」による消耗品管理の見える化に成果を挙げているケースがあり、弊社のアメリカの工場でも積極的に導入され効果を挙げていました。
 
日本の工場でも、自販機導入による「在庫削減・配送時間削減・使用量のトラッキング評価(ムダの廃止)・発注書管理レス」などのメリットを最大限に活用しようと考え、導入に至りました。

齋藤さま:

従業員ごとの出庫実績が見える化できるため、余剰出庫の抑制が図れることが期待されます。「誰が」「いつ」「何を」取り出したかの詳細な出庫データが確実に取得できるようになり、実績管理の工数が削減できる点もポイントでした。
 
他社の在庫管理システムも検討しましたが、導入の際に別途、アプリを入れる必要があり、当社のセキュリティポリシーの問題でアプリの導入ができない点がハードルとなりました。その点、ミスミのMISUMI floowは、自社で使用しているICカードで商品の取り出しが可能なため、導入しやすかった点も導入の決め手となったポイントです。

竹内さま:

資材持ち出し時間の制限がなくなり、生産が止まらなくなる点が魅力でした。また、資材保管場所が近くなり、資材持ち出し時間が短縮可能なことや、持ち出しの際に、天候に左右されない点もポイントとなりました。

MISUMI floow使用写真

<導入効果>

購入価格の平準化や在庫管理業務効率化により
在庫管理コスト年間1,900万円減少、発注業務は80%減少

MISUMI floow導入により、資材の購入先の統一化による価格のばらつき解消や、在庫管理業務の負荷軽減、工場内のスペースの有効活用といった効果が得られた。

齋藤さま:

自販機導入により、各課で共通して使用する資材の購入先が統一化され、価格の平準化を図ることができました。また、在庫管理工数が削減されただけでなく、「発注日に確実な発注をしなければならない」というプレッシャーからも開放され、他の業務対応に時間を割くことができるようになりました。
 
これまでは保管スペースについても使用部門ごとにスペース確保をしていましたが、自販機に集約することができたため、工場内のスペースのスリム化にもつながりました。自販機導入により在庫管理コストは年間1,900万円の減少、発注業務は80%減少しました。

竹内さま:

資材の持ち出し時間の制限がなくなり、生産活動が止まることがなくなりました。また、第二工場と各作業場の行き来が削減され、資材持ち出し時間が短縮されたことで生産性が向上し、さらに資材保管場所が近くなったため、必要な分だけ持ち出せばよくなり、利便性が向上しました。
 
また、現場毎に資材置き場を確保する必要がなくなり、スペースの有効活用につながりました。

<社内の反応>

日々の業務改善やスキル向上、突発的な業務へのサポート
対応などに時間を割けるようになった

MISUMI floow導入によって削減された時間については、日々の業務改善や業務スキル向上、突発的な業務に対するサポート対応などに充てることができるようになったという。

齋藤さま:

自販機導入によって削減された時間は、日々の業務改善をする時間に活用しています。講習会への参加や、知識を深めるための学習時間が増え、業務スキル向上に時間を活用することができました。また、周囲のサポートを積極的に行うことができるようになり、グループ内の多能工化促進につながりました。結果、社内の改善のための解析に時間を活用することができ、改善スピードが向上しました。

竹内さま:

職場環境を「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5つの視点から改善する5S活動に活用することができています。また、突発的な業務にも対応できるようになり、周囲のサポートを行うことができるようになりました。
 
現場からは、現在商社から購入している資材についても、ミスミから購入できないかという要望の声が寄せられています。

<今後の展望>

購買データの活用によりさらなる効率化を進めていきたい

今後は、購買データを活用することで、さらなる改善の効率を高め、グローバルへの展開も進めていきたいとのことだ。

岡崎さま:

今回の導入により、工場内の資材の「在庫削減・配送時間削減・使用量のトラッキング評価(ムダの廃止)・発注書管理レス」などのメリットが得られました。今後は、これらのメリットを最大化するため、購買データ(利用企業側)活用からの効率改善を進め、グローバル展開も合わせて進めていきたいです。
 
また、自動販売機のデータをYIMsに取り込み、消耗部品管理もシステム化していきたいです。

<インタビュー協力>

株式会社山田製作所
執行役員 生産本部 生産本部長
岡崎 敏雄 さま

株式会社山田製作所
生産本部 生産企画部 生産企画課
齋藤 綾子 さま

株式会社山田製作所
伊勢崎事業部 加工組立2課
竹内 由佳利 さま

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